食品企業のインフルエンサーとのタイアップ事例5選

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ブランドにとってブロガーアウトリーチは魅力的なツールである。多くのファンを持ちインフルエンサーとも呼ばれる彼らのコンテンツは、いまや各業界のデジタルマーケティングに大きな役割を果たしている。近年、米国ではとりわけ食品業界のイメージ戦力のなかでブロガーを活用したインフルエンサーマーケティングが目覚しい勢いを見せているという。


インフルエンサーを活用した米国食品業界のイメージアップ戦略

インフルエンサーを活用してキャンペーンを行うブランドの目的は様々だ。ブランドの認知度アップや新商品のプロモーションとしてインフルエンサーマーケティングを取り入れるブランドは年々増加している。なかでも、近年の米国食品業界ではインフルエンサー、とりわけブロガーと手を組む大手企業が目立つ。ブランドのイメージを改善し、また新商品情報を拡散するのが狙いだ。インフルエンサーマーケティングによってソーシャル上でポジティブな話題作りに成功し、ファンを獲得しているいくつかのブランド事例を紹介する。


1.Red Lobster

Red Lobsterは米国フロリダ州を拠点に世界展開するシーフードレストランチェーンである。名前の通りロブスター料理をメインとしている飲食店で、日本でも馴染みがあるだろう。現代にあわせた新しいイメージを打ち出そうとする同社は様々な国からブロガーを招きディナーに招待している。その腕前には最初から最後まで、一貫した高いプロ意識が見て取れるという。

まず、広報担当者がブロガーたちに個人レベルでコンタクトを取り、ペアでディナーに招待する。ディナーの場ではメニューからなんでも好きなものを注文するよう促され、極上のサービスが受けられるという。新しいメニューにはベジタリアン向けやグルテンフリー(アレルギーや健康、美容上の理由からグルテンと呼ばれる小麦粉タンパクを避ける食事法)の品も登場している。その後ブロガーはギフトカードを受け取り、そのお礼として料理の他、店の雰囲気やサービスの質、またスタッフとの交流をブログ上にアップしている。


2.Chuck E Cheese’s

テキサス州から広まったChuck E Cheese’sはピザやハンバーガー、フライなどのファストフードを提供する食品チェーンで、ネズミのキャラクターアニメーションや子供向けバースデーイベントなどでも知られている。しかしファミリー向けの同社がイメージを刷新し新しいキャンペーンを売り出すにあたり、母親たちからはグルテンフリーメニューやノベルティのカレンダーくらいしか関心を引き出せなかったという。そこで総合マーケティング会社M/C/Cに応援を頼んだChuck E Cheese’sは、インフルエンサー事業者Group Highを通してママブロガーを紹介される。

家族全員を連れて来店するのに十分な額のギフトカードを贈り、新商品を試してもらうという試みには650人ものママブロガーを巻き込むことができた。彼女たちの投稿を通じ、数百万の母親たちにリーチするという結果になったという。


3.Pizza Hut

日本でも人気の高いPizza Hutはテキサスに本社を持つ宅配型ファーストフードチェーンだ。ピザのほかパスタやバッファローウィングなども扱い、米国内では7200以上の店舗を構えている人気の食品企業だ。

Pizza Hutのニーズはブランド内部の様子をオープンにし、人間味あるイメージを広めること、また3種のチーズをトッピングした新商品のクリスピーピザを宣伝することだった。このためにブロガーたちのソーシャル上での口コミ力に期待した同社は、彼らをオースティンに送り、この地域内でのPizza Hutツアーを体験してもらうことにした。この中には新商品の試食ももちろん含まれており、同社がスポンサーとなったパーティ、オープンスタイルのバーで行われた試食会などが組み込まれていた。

ブロガーたちの投稿はほとんどがポジティブな意見であり、一部ネガティブな声もあったものの、Pizza Hutが提供した今回のツアーが話題の軸になっているには変わりなかった。キャンペーンでは効果的なアウトリーチがあったブロガーにはピザやギフトカードが送られることとなっていたが、成果が現れるより早くブランドはノベルティを発送し、それがさらにソーシャル上でのPizza Hutに関連した投稿を盛り上げることとなった。


4.Food Lion

多国籍スーパーマーケットチェーンFood Lionはノースカロライナ州に本社が食品企業ある。 「ノースカロライナで一番安い価格」が方針として掲げられている。ここに健康的なイメージを付け加えようと考えた同社はバルチモアのブロガーとタイアップするため、この地域のブロガーと関係を築いているエージェンシー、Theory Houseと連携をとることにした。ちなみにバルチモアとはメリーランド州に位置する都市だが、どこの州にも属さない独立都市だ。

キャンペーンではブロガーたちはバルチモアのローカルレストランに案内され、ここで料理コンテストを行うこととなった。Food Lionの食材のみを使用し、4人家族向けのヘルシーメニューを調理するという内容だ。Theory Houseの代表ジム・カッソンは「多くのブロガーがインフルエンサーとしてレストランに現れ、アドボケーターとして帰って行った」という言葉を残している。

ブランドのプロモーションを目的とした同様のキャンペーンでは、ふつうギフトカードやノベルティがインフルエンサーに贈られる。しかしブロガー同士の料理コンテストを企画したFood Lionの場合では、イベント中に数千のソーシャル上の反応を引きだし、のちに改めてブロガーたちもコンテンツをアップした。


5.Wendy’s

Wendy’sはオハイオ州に本社を置きハンバーガーを中心とするファーストフードチェーンだ。日本を含め人気のある飲食店として世界26カ国に進出している。アイスクリームデザートをコーンで提供することに変更した同社は“sweet made sweeter(スイーツが甘い記憶を連れてくる)”というキャンペーンを展開することとなった。ママブロガーやファッションブロガーとタイアップし、実際にWendy’sの店舗でコーンに盛り付けられたアイスクリームを注文して、同様のスイーツが思い起こすノスタルジックな記憶を添えてアイスクリームを食べる自分の写真とともにアップするというものだ。ブロガー自身の写真以外にも、アイスクリームを頬張る子供の画像も使用していいとされた。

Wendy’sのキャンペーンで特徴的なのは、ブロガーに個人的なノスタルジックな体験を語らせたことだ。これはブロガーを通してブランドとソーシャルユーザーの心理的距離を縮める効果があったと考えられる。このキャンペーンの後ではユーザーたちのWendy’sに対する眼差しは大きく変化していただろう。

米国食料品ブランドがブロガーのソーシャル上での影響力を活用し、新たなイメージ戦略に乗り出した事例を紹介した。ブランドの個性と打ち出したいイメージに合わせ、インフルエンサーと共に新たなストーリーを紡いでゆく戦略からはインスピレーションを与えられる。



参考:Group High “How Big Food Brands are Revamping Their Image with the Help of Bloggers” http://www.grouphigh.com/blog/how-big-food-brands-are-revamping-their-image-with-the-help-of-bloggers/

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