マーケターなら知っておくべき! インフルエンサーの秘密 podの問題点と企業の対策

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InstagramのPress PageによるとInstagramには、一日平均8千万枚の写真を投稿するユーザーが4億人以上存在する。この成長に伴い、現在多くの企業がインフルエンサーマーケティングの場としてInstagramを利用している。 そんな中、Instagramのインフルエンサーマーケティングに悪影響をもたらす問題点があるものとして、近年”pod”が物議を醸している。ちなみに響きは似ているが、botとは一線を画す存在だ。podとは何だろうか? podの問題点や、インフルエンサーマーケティングへの影響は? そして企業のマーケターは、podにどう対応できるだろうか?

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目次

  1. podとは?
  2. botとの違い それぞれの問題点
  3. インフルエンサーマーケティングにおけるpodの問題点
  4. podの将来 問題点に対して企業のとるべき対策とは


1.Podとは?

2016年、Instagramは単なる時系列の表示から、likeやコメント数の多い投稿をフィード上で見つけやすくするアルゴリズムへと、投稿フィードを変更した。これがきっかけで新しく生まれたのが、podというインスタグラマーのグループである。

pod = 複数のインフルエンサーで構成された、互いの投稿へのエンゲージメント促進を目的としたグループ

botをご存知の方は多いだろうが、今度はpodが新しくインフルエンサーマーケティングに影響を及ぼし、その結果インフルエンサーマーケティングに問題点が生じると指摘されている。podに参加するのは主に、企業やブランドに自分の影響力をアピールしたいと考えるマイクロインフルエンサーである。podのメンバーは、Instagramのアルゴリズムを利用し、自分たちの投稿がフィードの上位に掲載されるよう、グループ内でlikeやコメントの交換を頻繁に行う。同じpod内のメンバーが投稿すると他のメンバーに通知が届く仕組みになっており、互いの投稿に素早く反応することができるのだ。podに所属したインスタグラマーは参加後、「投稿へのlikeやコメント数が増えた」と回答している。このインスタグラマーの作為的なエンゲージメント収集が、インフルエンサーマーケティングにおいて、しばしば問題視される要因である。

pod内でのルール

グループ内には、メンバーのコメントに関し「絵文字一つだけはNG」「4文字以上投稿する」など、各々のリアクションを自然なエンゲージメントらしく見せるためのルールが存在する。「それ好き!」といった抽象的なコメントは、インスタグラムに価値あるエンゲージメントとしてカウントされない可能性があるため、写真や投稿に対する具体的な言及がよいコメントとされる。メンバーの投稿に対して即座の反応を強制するグループもあれば、もう少し規則の緩いものもあるようだ。

入会は紹介制

グループに「招待されること」が入会の条件であり、Instagram、facebookやTwitterのダイレクトメールを通じてメンバーは招かれる。そして、グループのテーマとの適合度合いや美的感覚、フォロワー数などの様々な側面からインスタグラマーは厳しい選抜にかけられる。Instagramにおいては、一度にDMで会話できる人数に制限があるので、グループメンバーはWhatsAppなど他のソーシャルメディアネットワークを利用しコミュニケーションをとることもある。



2.botとの違い それぞれの問題点

botは機械的、podは人の手が加わったエンゲージメント 問題点の相違

podのメンバーは、自分たちを「botや偽のフォロワー達とは違う、インスタグラムのルールに違反しないやり方でエンゲージメントを高めているグループ」と理解しているようである。
botとは、likeやコメント、フォロワーを自動的に増やしてくれる偽アカウントのことであり、botはお金で買うことができる。具体的な例としては、instagressというサービスだ。いまは機能していないものの、インスタグラマーは、likeやコメント・フォローをbotから「機械的に」「自動で」獲得することができたのである。botの問題点は、インスタグラマーが虚偽のフォロワーから機械的にエンゲージメントを得ることにあった。

それに対し、podは「人」で構成されている。podにおいてインフルエンサーは、実在する他のインスタグラマーに投稿をみてもらい本人からリアクションをもらうため、botのようにあからさまな広告詐欺システムとは見なせない事情がある。厳密に言えば、podも「本物のエンゲージメント」を作為的に作り出しているわけだが、podの場合、機械的に行われる広告詐欺システムではないという点でbotとは少し異なる。本物の人間が、互いに見返りを求めてコメントやlikeを行っているために、podはbotよりも寛容な対応を受けているようだ。



3.インフルエンサーマーケティングにおけるpodの問題点

ブロガーやSNSインフルエンサー達が、シンプルにpodを特定グループのコミュニケーション場としてとして使っているのだとしたら、podは単なる新種のオンラインコミュニティーといえるかもしれない。インフルエンサー達の、彼らに言わせれば不公平なアルゴリズムに対しての対抗は、どうして非難すべき問題なのだろうか?
以下でインフルエンサーマーケティングにおいて企業が留意すべきpodの問題点をみていこう。

問題点その1 企業によるインフルエンサーの選定が困難

インフルエンサーマーケティングを行う企業にとってpodの一番大きな問題点は、どのインフルエンサーが真に消費者に好かれて成功したかを、見分けることができなくなった点にある。作為的に増やしたインスタグラムフォロワーをもつことで、インフルエンサーは獲得エンゲージメントを操作し、実際より大きな影響力を持っているように見せかけることができる。インフルエンサーのpod使用によって、インフルエンサーとオーディエンスとの信頼関係や、ソーシャルメディア上での自然な影響力という、ブランドが一番魅力的だと感じているインフルエンサーの特性が揺らいでしまうのだ。

問題点その2 ブランドのマーケティング活動を阻害

インフルエンサーマーケティング成功の鍵である、実際の消費者へのリーチやエンゲージメントは、適切なインフルエンサー選びなしには得られない。podの出現で、作為的にエンゲージメントを挙げたインフルエンサーを企業が使用した結果、ROIやキャンペーンへのエンゲージメントを落とすことになる。Huffinton’s post のShayla R. Priceは、「作為的に集められたフォロワーは、ユーザーのコンテンツを再び投稿することも、会話を自分から始めることも、ツイートや投稿をお気に入り登録することもない。ただアカウントが人気であるように見せかけるだけなのです。」と話している。作為的に集めたフォロワーを利用しエンゲージメントを高めることには、インフルエンサーマーケティングにおけるインスタグラマー自身の価値低下というデメリットに加え、インフルエンサーマーケティングの効果が充分見込めないという企業側の問題点があると言えよう。

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4.podの将来 問題点に対して企業のとるべき対策

Instagramのpodに対する態度

Instagramは今後、podに対策を講じるのだろうか? 今のところ具体的な動きは無いようだが、Instagramにとってpodはあまり好ましくはないことは確かだろう。2014年には偽のspambotアカウントが一掃され、一部のユーザーは莫大なオーディエンスを突然失うことになった。Instagramのbotへの対応は、彼らが偽の影響力を広げることに肯定的ではないことを示している。podがこのまま一般化すれば、近い将来、以前と同様に偽のエンゲージメントは崩壊することになるかもしれない。

企業がとりうる問題点への対策

マーケターは、インフルエンサーマーケンティングにおけるpodの問題点にどう対応すべきだろうか? podの登場で、インフルエンサーの投稿に対するエンゲージメント全てが必ずしも自然に行われたと判断できない状況になってしまった。インスタグラムを利用してプロモーションを行う企業にとって、これは決して喜ばしいことではない。しかしながら、企業がpodについて正しい理解をもって適切にブランディングに取り組めば、podの問題点に対処することも可能である。

1. podに依存しないインフルエンサーを見つけよう

podは比較的新しく、将来の動向は未だ不透明だが、podに対抗するために、企業は今まで以上にインフルエンサーの選定に慎重になるべきである。podへの過度な依存で存在感を不当に維持するアカウントをきちんと見分けなくてはならない。プロモーションを行う側がインスタグラマーの投稿やコメントの観察を続け、彼らがpodに依存しているとみなすための判断基準は何かを解明するのが、podへの究極の対抗策になるだろう。もしも真に影響力をもつインスタグラマーを見極めるためのマニュアル作成が実現できれば、マーケターはpodに影響されること無く、最適なインフルエンサーを容易に選別できる。しかし、何がインフルエンサーの偽フォロワー使用の兆しになるかを明確に把握しない限り、マニュアル化は非常に困難であり、長い時間を要することは否定できない。

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2. 企業がインフルエンサーと強い信頼関係を構築する

podに所属するインフルエンサーの投稿へのエンゲージメントは、従来の考え方でいうと人工的に操作されたものである。消費者からの真の反応がほしい企業にとって、podの出現はインフルエンサーマーケティングに悪影響であることは事実だ。こうしたpodの問題点に対処するために、企業にはまるでひとりの友人を作るかのように、じっくり時間をかけてインフルエンサーと信頼関係を構築することが求められる。企業がインフルエンサーに価値ある体験や感動を提供すれば、インフルエンサーの投稿もより魅力的でメッセージ性の強いものとなる。さらに企業はインフルエンサーの発信する良質なコンテンツを通じて、結果的にオーディエンスからより良質なエンゲージメントが得られるのだ。

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まとめ

どこまでが偽で、どこまでが本当のエンゲージメントなのかが曖昧であるため、podの是非もはっきりしないところがある。しかしながらpodには、企業のインフルエンサーマーケティングを脅かしうる問題点も存在する。Instagramがbotに行ったような規制をかけない限り、少なくともしばらくの間、podはインフルエンサーマーケティングに影響を及ぼし、企業はpodの問題点に対処する必要がある。マーケティングに適切なインフルエンサーを正しく選定することが、podの問題点に対応する手段の一つだ。また、podに依存せずとも支持を受けている適切なインフルエンサーと強い関係性を構築することで、インフルエンサーによりよいコンテンツの発信を促すことが企業に求められている。podの問題点とインフルエンサーマーケティングへの影響を理解した上で、賢くインフルエンサーマーケティングを行うべきだ。


引用:

https://econsultancy.com/blog/69064-will-instagram-pods-impact-influencer-marketing

https://www.marketingtechnews.net/news/2017/aug/04/insta-pods-and-soul-influencer-marketing/

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