化粧品ブランドのインフルエンサーマーケティング活用事例3選

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様々な業界がネットでの発信を強化しているが、化粧品ブランドもその例外ではない。ビジュアルによる発信に便利な、インスタグラムを使ったマクロ・マイクロなインフルエンサーマーケティングの事例を紹介する。


化粧品広告の主力はインフルエンサーマーケティング!

化粧品、コスメ分野のコマーシャルは華やかだ。テレビで流れるCMでは有名な俳優や芸能人が起用されている。

しかし、化粧品ブランドはソーシャルメディアを使ったインフルエンサーマーケティングにも積極的に取り組んでいる。Fashion & Beauty Monitorというメディアは、2016年にアメリカとイギリスのファッション・化粧品ブランドを対象に調査を行った。それによると、


・調査対象の57%が、インフルエンサーマーケティングを活用している

・21%の企業は、さらにインフルエンサーマーケティングへの投資を増やすことを検討している

・マーケティング費用全体の30%〜75%が、インフルエンサーマーケティングに使われていると考えている


このように、化粧品ブランドはかなりの資金をインフルエンサーマーケティングに投じている。それは、インフルエンサーマーケティングによってより広い層にアプローチできるようになり、より大きなエンゲージメントを獲得できると考えられているからだ。

NewsWhipの調べによれば、


・5つの人気化粧品ブランドのインスタグラムの投稿、上位50件のうち42件がインフルエンサーに関係するものだった

・上位50件に対するエンゲージメントは全体のおよそ25%を占めるため、インスタグラムを使った化粧品のマーケティングにおけるインフルエンサーの存在感は強い。


化粧品ブランドのインスタグラムでの戦略は幅広い。インスタグラムでも女優や超有名アーティストを活用した投稿が多い。資金の多くもこのメガインフルエンサーマーケティングに使われているのかもしれない。

しかし、ここでは主にフォロワーが数万から数十万のインスタグラマー、マクロインフルエンサーを活用したインフルエンサーマーケティングを紹介する。ブランド力を生かした、主にリグラムによるインスタグラム活用を見ていく。

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MAC(エスティ・ローダー)

NewsWhipの取り上げたブランドの1つが、MACだ。MACは世界有数の化粧品メーカー、エスティ・ローダーのブランドで、CLINIQUEなどと並ぶ人気を誇る。自国ブランドが強い日本でもラインナップを展開している有力ブランドだ。

他のブランドがブロガーやビデオブロガーと仕事をする傾向にあるのに対して、MACはブランドの化粧品を使うメークアップアーティストをインフルエンサーとして活用している。MACの公式インスタグラムのフォロワーは1,500万人以上に上る。インスタグラマーがハッシュタグをつけて自分のアカウントで投稿したセルフィーを、公式アカウントで再発信することでリーチを広げている。

上の投稿は、イスラエルのインスタグラマーのセルフィーをリグラムしたものだ。モデル本人のフォロワーは8万人程度で、元の投稿でのいいねは3,000程度に過ぎなかった。しかし、リグラムによって2時間程度で数万のいいねを獲得している。

MACはメキシコ・UAEなど世界各地のさまざまな民族のインスタグラマーのセルフィーをリグラムしている。これによって、世界中への展開が促進される。また、メークアップした目の周りや唇だけをズームアップした写真も多く投稿して、目を惹きつける工夫をしている。アーティストのブランドとインスタグラマー双方の認知度が高まる効果がある。

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TooFaced

TooFacedは日本未上陸だが、ビビッドでオシャレなパッケージ(チョコレートをイメージしたものが多い)で、アメリカでは人気の化粧品ブランドのようだ。シャネルやエスティ・ローダーなどで修行した2人の男性が始めた若いブランドで、Sephoraなどで販売されている。

TooFacedは、視覚イメージを重視してインスタグラムも有効に活用している。会社自体は小規模ながら、公式インスタグラムのフォロワーは900万人近くに及ぶ。TooFacedは女優などのメガインフルエンサーをモデルとすることもあるが、あまり有名でないインスタグラマーのセルフィーもリグラムしている。

@grgctts is soft and sweet in our Milk Chocolate Soleil Bronzer. #regram #toofaced

Too Faced Cosmeticsさん(@toofaced)がシェアした投稿 –

上のセルフィーは、約15万人のフォロワーがいるメークアップアーティストのものだ。本人のアカウントでは2,500程度のいいねだったが、公式アカウントでは8万を超えるいいねが残されている。

TooFacedは、フォロワーが2,000人程度のビューティーブロガーといったマイクロインフルエンサーのセルフィーも共有しており、少なくない量のエンゲージメントを獲得している。公式アカウントで共有されることで、インスタグラマー自身のモチベーションが高まる効果もあると考えられる。マイクロからメガまで、広くインフルエンサーマーケティングで成功を収めているブランドだ。

Sephora(LVMH傘下)

LVMH傘下のSephoraは、70年代創業の多くの化粧品ブランドの商品を取り扱う専門店だ。公式インスタグラムは1,100万人以上のフォロワーを持っており、店で扱っている各ブランドの商品を紹介しているため、内容の幅が広い。

Get in the glow ✨ @naythemua’s beauty routine for achieving a radiant complexion is everything 🙌🏼🙌🏾🙌🏽 Show us your look using #SephoraSelfie #ThatComplexion for a chance to be featured on our Instagram page 📸 #Regram @naythemua ・・・ Excited to partner with @Sephora to show you my daily foundation routine #SephoraSelfie #ThatComplexion ______ #FACE a. @anastasiabeverlyhills stick cool golden,honey, and natural b. @bobbibrown highlight pink glow and c. @stilacosmetics "stay all day" light d. @benefitcosmetics hoola (Blush) EYES e. @marcbeauty 60 hi-filter (brighten under eye) ________ EYES a. @toofaced better than sex mascara _______ BROWS a. Anastasia Beverly Hills in ebony brow pomade, duo kits both chocolate and caramel b. #anastasiabeverlyhills concealer 2.5 c. Anastasia Beverly Hills Clear brow gel ________ LIPS a: @katvondbeauty bow n' arrow (base color) and Anastasia Beverly Hills Milk Shake (middle color) ________

Sephoraさん(@sephora)がシェアした投稿 –

リンクは、フォロワーが約3万人のメークアップアーティストのセルフィーだ。Sephoraのアカウントでは、メークアップの映像もシェアされている。親近感の持てるアーティストにメークアップを公開してもらい、カスタマーに自分でもできると感じてもらう効果がある。

アーティストは、自分のメイクがコミュニティに見てもらいたいと思っている。Sephraはそうしたアーティストの心理を理解して、ブランドのファンが投稿したメークの写真をリグラムするという、インフルエンサーマーケティング戦略を採用した。これによって、LVMHグループの化粧品を使ったメークアップ画像の投稿が急増し、宣伝効果が上がった。

 

なぜマクロインフルエンサーマーケティングなのか

各国におけるインスタグラマーの影響力の違い、各ブランドの歴史やスタンスによって、マーケティングは多様な形を取る。紹介したような新興ブランド、あるいは伝統あるブランドの中でも独立性を保っている化粧品ブランドも、女優やファッションショーで活躍するモデルを起用している。しかし、メガインフルエンサーではないマクロ、あるいはマイクロインフルエンサーマーケティングを並行して行っているのには理由がある。

Beauty Goes Digitalによれば、フォロワーが1,000〜10万のビューティーインスタグラマーには、


・スキンケア、メークアップなど1つの分野に特化していて、知識がある

・フォロワーから、知識が豊富で信頼できると思われている

・エンゲージメント獲得率が高い


という傾向がある。

これに加えて、コストが削減できる、許可を得るまでの時間を削減できるという利点がある。今後、化粧品マーケットでマクロインフルエンサーの活躍がますます目立つようになるだろう。



  参考: https://www.newswhip.com/2016/05/17065/, http://fashionmonitor.com/#/free-blog/60-of-fashion-and-beauty-marketers-are-betting-big-on-influencers/Tf, http://beautygoesdigital.com/micro-influencers-beauty/, https://www.referralcandy.com/blog/sephora-word-of-mouth-marketing/  
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